千葉‧⾹取市佐原の動物病院「オリーブペットクリニック」2014年12⽉開院!

オリーブペットクリニック

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膀胱炎

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    膀胱炎(犬・猫共通)

    膀胱炎の概要

    膀胱炎とは、膀胱に炎症が起こり、尿をためたり、排尿したりといった膀胱の機能に支障が生じる疾患です。急に発症する場合を急性膀胱炎、経過が長い場合を慢性膀胱炎といいます。

     


    原因

    膀胱炎は、便の中、陰部(メス)、陰茎(オス)周囲の皮膚などに存在する細菌が尿道内に入り込み、そのまま尿道をつたって逆流性に膀胱内に浸入・感染することで発症する細菌性膀胱炎が最も一般的です。

    また、遺伝的要因、偏った食生活などによって膀胱内に結石ができてしまうと、石が膀胱粘膜を慢性的に刺激することで慢性膀胱炎を起こすこともあります。

    猫ではストレスが要因となった特発性膀胱炎も一般的によくみられます。ストレスの代表的な原因としては、環境の変化や、新しく迎え入れた猫との折り合いが悪い、などが挙げられます。

     

    膀胱炎の原因を、犬・猫に分けて、もう少し具体的にみていきますと、

    では急性膀胱炎が多く、そのほとんどが細菌感染が原因です。尿道が細くて長いオス犬よりも、尿道が太くて短いメス犬の方が細菌感染を起こしやすいです。原因となる細菌は、便中に含まれる大腸菌がほとんどです。

    再発を繰り返す慢性膀胱炎では、耐性菌といって抗生物質に抵抗力をもつ細菌が増殖しているか、すでに膀胱内に結石ができておりそれが慢性的に膀胱粘膜を刺激することで再発を繰り返すことがあります。去勢手術を行っていない高齢のオス犬では、前立腺疾患が原因となって細菌性膀胱炎を起こすことも比較的よくみられます。

    では10歳未満の猫では特発性膀胱炎が最も多く、10歳以上の高齢猫では尿路結石や慢性腎臓病が基礎疾患となった細菌性膀胱炎が多くなります。

    また、犬・猫に共通して、交通事故などによって下半身麻痺になってしまった場合は、陰部が地面に接することが多くなるため、常に細菌感染を起こしやすくなり、慢性細菌性膀胱炎を起こすことがあります。

     


    症状

    膀胱炎を起こすと、血尿(尿に血が混じる)、頻尿(何度も排尿姿勢をする)、残尿感(尿が出ないのにいつまでも排尿姿勢を続ける)、排尿時の痛み、においの強い尿、尿漏れなどの症状が見られるようになります。

    通常、膀胱炎だけでは発熱、元気消失、食欲不振、嘔吐などの症状は認められません。このような症状も一緒に認められる場合は、腎盂腎炎、前立腺膿瘍などの併発疾患も考慮する必要があります。

     


    診断

    ①尿検査

     膀胱炎が疑われる場合には必須の検査となります。色調、におい、尿pH(酸性尿か、アルカリ尿か)、出血の有無、細菌感染の有無、尿比重、尿糖の有無などを調べます。

    ②超音波検査(エコー)

     膀胱内の状態を画像で直接把握するのに最適な検査です。動物への負担もなく調べることができます。膀胱内の濁り、膀胱粘膜の厚みの評価、膀胱粘膜の凹凸・膀胱結石・膀胱内腫瘍の有無などを目で見て調べることができます。

    ③X線検査(レントゲン)

     急性膀胱炎の場合は必ずしもレントゲンは撮りませんが、再発性・慢性膀胱炎の場合は尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)内の結石の有無を調べます。

     


    治療

    急性の細菌性膀胱炎の場合は、抗生物質(抗菌薬)の内服によって治療を行います。通常は2週間程度、内服を継続し、症状が治まり膀胱から細菌がいなくなれば治療は終了です。細菌がいなくなったかどうかは、再度尿検査をして確認します。

    慢性膀胱炎の場合は、抗生物質が効きにくい耐性菌が感染していることもあるため、尿を検査センターに送り、細菌培養検査および薬剤感受性試験(原因菌の特定と、有効な抗生物質を調べる検査)を行ったうえで、適切な抗生物質を選択することが望まれます。治療期間も、急性膀胱炎に比べ、長期間の治療が必要となることがあります。

    すでに膀胱結石が存在し慢性膀胱炎を起こしている場合は、手術により膀胱内の石を摘出しなければ膀胱炎がすっきり治ることはありません。抗生物質等の治療により一時的に症状が軽減しても、またすぐに再発を繰り返します。

    糖尿病、慢性腎臓病といった基礎疾患が存在する場合は、それらの治療を同時に行うことで慢性膀胱炎もより短期間での改善が期待できます。