動物達も高齢化の時代となった今、最も多い死因が「がん(=腫瘍)」です。
がんとは、自分の体内に存在する細胞が自律的に無目的にかつ過剰に増殖する状態と定義されます。簡単にいうと、体内のある一群の細胞が、ある特定の部位でむやみやたらと増え、転移を起こし、その動物の命をむしばむということです。
がんは大きく二つに分けられ、リンパ腫や肥満細胞腫など自ら独立して機能できる細胞の腫瘍を独立円形細胞腫瘍、それ以外のものを固形がんと呼びます。固形がんはさらに分類され、上皮系細胞由来のものを「~癌」といい(例:扁平上皮癌)、 非上皮系細胞由来のものを「~肉腫」といいます(例:血管肉腫)。対して、良性のものは「~腫」といいます(例:脂肪腫)。
腫瘍が発見に至る約1cmほどの大きさになる頃、そのしこり内にはおよそ一億~十億個のがん細胞が存在するといわれています。
腫瘍の増殖曲線はS字状曲線を描くといわれ、まだ腫瘍が小さいうちは、その増殖スピードは速く急激な増殖曲線を描きますが、ある程度の大きさになるとその増殖スピードは緩やかとなります。
人間同様、三大抗がん治療は、外科治療、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)となります。
外科治療と放射線治療は局所のみの治療となりますが、まだ腫瘍が小さい初期のうちは根治がねらえます。腫瘍が転移を起こしてしまった場合は、局所のみの治療では対抗できないため化学療法が適応となります。ただし、リンパ腫の場合、造血器、いわゆる血液のがんで全身疾患ということになり、最初から化学療法が適応となります。
腫瘍にはステージ分類があり、初期は局所に限局するのみ、徐々に周囲組織やリンパ節へ浸潤し、やがて他の離れた臓器(腹腔内臓器や肺、骨髄など)へ遠隔転移を起こすようになります。当然、ステージが進行すれば、根治(腫瘍の根絶)の可能性は低くなります。
当院では腫瘍の治療にも力を入れ、外科治療、化学療法にも幅広く対応しておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談下さい。