千葉‧⾹取市佐原の動物病院「オリーブペットクリニック」2014年12⽉開院!

オリーブペットクリニック

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③外耳炎

今回は外耳炎についてお話しします。

 

5月から7月にかけて温度や湿度が上がってくる時期は、お耳のトラブルが起きやすくなります。

 

1.外耳ってどこのこと?

そもそもまず外耳とはどこのことでしょうか。

ずばりわかりやすくいうと、外側の耳のかたちをしている部分はもちろん、僕たち人間が耳かきを突っ込んでかき出している部分も外耳です。

鼓膜から外側はすべて外耳となります。鼓膜より内側になると、中耳・内耳となります。

 

2.外耳炎ってなに?

外耳炎とは、外耳に起きた炎症のことです。

その原因となる病原体としては、大きく3つがあげられ、細菌、②マラセチア、③耳ダニです。

これらの感染は、耳あか(耳垢)を検査することで院内で簡単に検査することができます。

 

耳あかを薄くのばして特殊な染色液で染色したものを顕微鏡でのぞくと、細菌やマラセチアの感染の有無を確認することができます。

また、耳あかにオイルをたらし、カバーガラスをかけて直接顕微鏡でのぞくと、耳ダニの有無を確認することができます。

 

それではこの3つの病原体について、治療まで含め、一つ一つくわしくお話ししていきます。

がんばってついてきてくださいね! 🙄 

 

①    細菌

 一般的には球菌といわれる丸っこい菌が多数増殖します。いちがいにはいえませんが、耳あかは黄色味を帯びていることが多いです。ひどいケースでは耳の穴から膿(うみ)が出ていることもあります。

 細菌性の外耳炎には抗生物質が有効ですが、慢性経過しているケースでは、菌が「耐性」といって、抗生物質に抵抗する力をもってしまっていることがあります。そのため、まず一般的な抗生物質で治療して治りが悪いときは、耳あかを検査センターに送り、増殖している菌の種類の特定とそれに対して有効な抗生物質を調べてもらった方がいいでしょう。

 また、後にもお話しますが、お耳のトラブルを起こした原因にアレルギーが関与していることもあり、その場合、いくら薬剤感受性試験などで適切な抗生物質を選択したとしても、なかなか治らない場合があります。その場合、低アレルゲンの処方食に変更したり、ステロイドなどのアレルギーを抑える治療を併用する必要があるかもしれません。

 お耳にたらすお薬(点耳薬)は、抗生物質・抗真菌剤・消炎剤が配合されているものが一般的で、軽度の細菌性外耳炎であれば、点耳薬だけでも改善が期待できます。重度の場合は、飲み薬も併用することがあります。

 点耳薬にはおうちで1日1回、お耳にたらしていただくタイプのものと、最近新しく出たお薬で、病院でお耳に点耳薬を入れておうちではお耳を触らずに1週間後に病院でもう1回お薬をたらしておしまい、というお薬も出ました。おうちでのお耳のお手入れが難しい子は、このお薬を使うのが効果的でしょう。

 

②    マラセチア

 マラセチアとは、真菌、いわゆるカビのことです。お耳の中は温度も高く、湿度もあって、さらに耳あかは菌が増えるにはちょうどよい培地となりますから、特にこのカビにとっては居心地のよい楽園ともいえます。

 マラセチアが増えてくると、すっぱいにおいがするようになり、耳あかもやや赤茶色をおびてくることが多いです。

 先ほどお話した、抗真菌剤の配合されている点耳薬をお耳にたらすことで治療します。こちらもやはり、1日1回おうちでたらすタイプと、1週間に1回病院でたらすタイプの2種類の点耳薬が使用できます。

 

③    耳ダニ

耳ダニは正式には耳ヒゼンダニといって、顕微鏡でしか見えないダニが耳の穴に寄生します。耳あかは黒色~灰色をおび、強いかゆみを起こします。

耳ダニは首筋にお薬をたらすことで駆虫することができます。

 

 

ここまで大丈夫でしょうか? 😉 

お耳のトラブルを起こす三大病原体についてご理解いただけたでしょうか?

 

これらがおおもとの原因であれば、今お話ししたような治療をすることでお耳もスッキリするでしょう。

 

3.アレルギーが関係していることも…

治療してもなかなかよくならない、あるいは再発を繰り返す、といった場合に、アレルギー体質が関係していることもあります

 

アレルギーによって起きる皮膚病のことをアレルギー性皮膚炎といいますが、大きく分けると環境アレルゲンによって引き起こされるアトピー性皮膚炎、それからからだにあわない食べ物を摂取することによって起こる食物アレルギーがあります。

 

このいずれかの原因によるアレルギー性皮膚炎の一環として、お耳にも炎症が起きると、先ほどお話した細菌、マラセチアなどが二次的に増殖して、外耳炎をより悪化させることがあります。

 

とすると、アレルギーのほうも同時に治療しないと、いくら一生懸命点耳薬をたらしてもよくならない、ということもあり得るわけです。

 

通常は、アレルギー性皮膚炎の場合、お耳以外のからだのどこかにも赤み・痒み・脱毛などの症状が出ていることが多いので、お耳以外にも皮膚病がある場合は要注意です。

 

なんでもそうですが、病気は早期発見・早期治療が早く治すカギです。発症してからの期間が長いほど、治療にも時間がかかることがあります。

 

お耳を振ったり、後ろ足で引っかいたりするのを見かけたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

 

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